2013年8月27日火曜日

小田原の関東大震災

今年は県内各地で関東大震災関連をテーマにした特別展が開かれていますが、気づくと小田原でも開かれていました。

「震災はどのように伝えられたのか」
 会期:2013年7月19日―9月16日
 会場:小田原市郷土文化館 1階展示室
 観覧:無料
http://www.city.odawara.kanagawa.jp/public-i/facilities/kyodo/topics/exhibition-2013-tokubetsuten.html

ありゃ。随分と前から開かれていたんですね。早速、足を運ばねば。

2013年1月8日火曜日

Bonne année !

 ご挨拶が遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。仕事の合間などに材料をためて一気に書くつもりでしたが一向に進んでいません。テーマもバラバラだしこちらをのぞかれる方にはご迷惑を多々おかけしているかと存じますが、自分で「興味深い!」と感じるのは他の方も同じではないかなあ、、、と甘い期待を抱いている昨今です。
 
 私事で恐縮ですが昨年は様々なことがございまして、きわめて多くの方にご協力をいただきました。先年他界した父と、むしろだんだん健康になってきて関心している母、いろいろありながらも一緒に泣き笑いしてくれる妻と子供、またこれまで非力な私を陰に陽に支えていただいた職員みなさん。心の底から愛して止まない郷里の方々エトセトラエトセトラ、、、。本当に本当にありがとうございます。こんな私ではありますが、今後ともご指導ご鞭撻賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
 
                                      2013年1月
                                         久保田 七衛

何歳まで生きたいか

ひきつづき、Spiegelの図表から:

質問 Wie alt mochten Sie sein, wenn Sie sterben?
「亡くなるときは、何歳でありたいですか?」
(出典:Spiegelによる調査機関TNSへの委託世論調査 2009年5月19-29日)
実施対象は20-35歳の回答1000人。性別は問うていないようですね。悪性腫瘍の患者をみる家族や第3者のイメージを考える際、それなりに重要な情報ではないでしょうか。

 
50-59歳   1%
60-69歳   2%
70-79歳  14%
80-89歳  43%
90-99歳  21%
100歳以上 11%

85歳が平均とのことでした。ちなみにHP『社会実情データ図録』掲載の2010年のドイツの平均寿命は男性77.5歳女性82.6歳(出典は世界銀行WDI2012年6月発表分)。「平均より若干長い程度」というイメージでしょうか、平均以下を希望する人は1/5いるかいないかですね。

 他の国はどうかネットで調べてみると、詳細は不明ですがイギリスでも2012年8月にMail Onlineで発表された調査があるようですね(注1)。ヘルスケアグループBenendenによる2000人を対象とした調査(対象・調査方法がよくわかりません)では83歳まで生きられれば幸せで、それ以上はボーナスだと考えるのが半分以上だとのこと。70代でも十分という意見も1/6を占め、100歳以上を希望するのは1/4に留まると書いています。対象の年齢が明らかでないのが残念ですが、大勢はドイツと変わらないようですね。100歳以上の希望者が多いらしいのが興味深いですね(ちなみに前掲データでイギリスの平均寿命は男性78.5歳、女性82.4歳)。

 それでは日本はどうでしょうか?Web R25に掲載されている2010年の調査では、20-30代の働く男性100人を対象としたアンケート調査で、最頻値は80~89歳(32%)とのことでした(注2)。また、ライフメディアが2007年1月に実施した国内30-50代既婚者1660人を対象としたネット調査(注3)では、下記のような結果だったようです(なおグループ分けはSpiegelに合わせています)。ちなみに前掲データで日本人男性の平均寿命は79.6歳、女性は86.4歳(注4)。

50-59歳     1.7%
60-69歳          9.8%
70-79歳        32.0%
80-89歳        40.2%
90-99歳          8.7%
100歳以上     6.0%

、、、Web R25の結果を書いたまでは良かったのですが、そのあとで止まりました。2007年のデータとはかなり印象が異なりますね。両者の違いは様々な点が挙げられます。
①対象年齢で後者がより高齢者を含む
②後者は男女合わせて(比率は不明)。
③前者はかなり少ない。

調査手法もおそらくは異なるのではないかと考えますが、後者のデータがかなり短命であることに注意がいきます。日本人高齢者が寿命に対しより現実的なのか、それともネット調査では短めの寿命を考える人がピックアップされる傾向があるのか。、、、興味深いところですが、ネット検索ではここまでですかね。

注1 
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2191746/Forget-reaching-century-wed-happy-live-age-83.html
注2 
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/wxr_detail/?id=20120918-00025687-r25
注3
http://research.lifemedia.jp/2007/02/post_164.html

2013年1月6日日曜日

在宅での看取り:ドイツの死生観を入口として

 1947年創刊のドイツの「DER SPIEGEL」は、メインの週刊誌以外にも小児向け「Dein SPIEGEL」(月刊)や歴史物「Der SPIEGEL Geschichte」(隔月刊)などテーマ別のものがいくつかありますが、季刊の教養誌「Der SPIEGEL WISSEN」2012年4号の特集は「Abschied nehmen - Vom Umgang mit dem Sterben -」、、、医学的というよりは、現代人の死にまつわる興味の諸々を取り上げた内容です。それほど読めるわけではないのでペラペラめくっていると、16ページに興味深い図表が掲載されていました。

題名「Abshied vom dasein」  、、、この内容だと「死に臨んだ時の分かれ道」、といった感じでしょうか。
質問「もし希望通りの場所で死ねるとすればどこで死にたいか?」
(原文 An welchen Ort mochten Sie liebsten sterben, wenn es einmal so weit ist? )
、、、希望(wunsch)としては66%がzu Hause 自宅でを望み、15%がHospiz oder Palliativstation ホスピスもしくは緩和医療のできるところ、15%が未記載かわからない、または別の場所とのこと。
 それに対し、現実に(wirklichkeit)どこで死ぬかといえば、50%がKrankenhaus病院、25%がPflegeheim老人ホーム、20%がzu Hauseとのことでした。
(出典 希望についてはSpiegelから調査機関TNSへの委託調査 実施期間2012年5月21-22日:18歳以上を対象とした1000件の分析のようです。現実はドイツプロテスタント教会の見積もりの引用とのこと)

 希望は自宅が多いにも関わらず、病院で死なざるを得ない現実という、大枠での結果に対し皆さんはどう思われますか?我が国も同じだ、という実感を持たれるのではないでしょうか。実際、2012年7月1日掲載の東京新聞の記事(亀岡秀人氏による)でも以下のような表現になっています(注1)。

「余命が限られた場合、「自宅で過ごしたい」とする人は80%(日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団)にも達しています。また、厚生労働省の調査では、余命六カ月以内の末期状態の患者の場合、「必要になれば医療機関を利用したい」を含め、「自宅で療養したい」と考える人は60%を超えています。
 しかし、自宅で過ごせると考えている人は18%しかいません。実際、自宅で亡くなったのは二〇一〇年で12・6%にすぎません。約80%の人が病院で亡くなっています。」

「オランダでは病院35%、ケア付き住宅32・5%、自宅は31%などで、スウェーデン、デンマークなど北欧諸国は同じ傾向です。日本は病院で亡くなる割合が多くなっています。」

辻彼南雄氏による国際比較研究(注2)でも日本を含めた9ヶ国のアンケートによる横断研究で、死場所についての理想と実際とのギャップが最も大きいのは日本との結果になっています。

、、、文献を細かくあたってみると、まだまだ興味深い結果もあるようです。日本赤十字看護大学・藤田淳子氏らの報告によれば(注3)、2010年3月に国内の40歳以上80歳未満の男女2000人を対象に質問紙の郵送で行われた層化二段階無作為抽出調査では、1042名(回収率55%)の回答のうち、希望する療養場所は自宅が44%、病院15%、緩和ケア病棟19%、公的施設10%、民間施設2%、不明11%であったとのことでした。他の調査でも比較的新しいものほど本人の「希望」する死場所としての自宅が比較的少ない研究は散見され、ここにきて自宅で逝きたい、という理想でさえも現実の前に浸食されてきている状況がみてとれます。もちろん、在宅での看取りを進めて行きたい国の方針にとってこのような状況は望ましいものではなく、藤田氏の研究でも結論では「在宅医療の周知、在宅看取り経験の蓄積、日ごろからの終末期の療養場所に関する教育・考察の機会の確保、在宅終末期医療に関する費用を含む制度や医療福祉資源の周知」が今後の課題とされています。

 もっとも、介護を実際に負担する若年層の立場にたっていうならば、現実をドライにみているだけ、という意見も見過ごせない観点でしょう。1世帯あたりの平均人員は2010年時点で2.59人(厚生労働省2012『グラフでみる世帯の状況』 注4)、、、急速に減少してきたとはいっても、この数値自体は欧米先進国と差があるものではありません(むしろ北欧はさらに低値となっています)。しかし先進国と比較しても日本は高齢者率がかなり突出しており(注5)、認知症などの有病率やADLの問題、また「老親と子供の別居化」が進展している状況(注6)を考え合わせると、看取る方が幸いいるご家庭でも、「自宅での看取り」とはまさに看取る側にとって覚悟が要求される状況になっていることがわかります。先に挙げた辻氏の研究でも、日本において看取りの場所を左右する条件として、本人の尊厳はより軽く、「家族の意向」がより重視される傾向があるとのことで、嘆かわしいと同時にむべなるかな、と言わざるを得ない状況がここにはあります(注2)。なんといっても世帯人員の減少/別居化の進行/単身世帯の増加は、先ほど挙げた藤田氏の研究の結論でいえば、看取り経験の蓄積や医療制度・知識の周知の点に、まさしく負に作用する事象であることに注意するべきです。経験を共有する場所、情報の媒介として、(前掲藤森氏がかかげる具体的対応策でもある)互助の強化、地域コミュニティーの育成は、その意味で決して理想論に終わらせるべきものではなく越えなければならないハードルなのです。

 
 震災を経て我々が見出した「絆」とは、被災地の方のみならず日本という地域に住む人全てにとって、まさに必要なものなのではないでしょうか。


#きっかけとなったシュピーゲルの記事:
Traub VR. Auf der Suche nach dem guten Ende. Der SPIEGEL WISSEN.2012;4

注1 www.tokyo-np.co.jp

注2 辻彼南雄2012「理想の看取りと死に関する国際比較研究」
www.ilcjapan.org/study/doc/committeeAnnounce_0612.pdf
日本以外の対象国は韓国、チェコ、イスラエル、フランス、イギリス、アメリカ、オーストラリア、オランダの8か国。

注3 日本緩和医療学会ニューズレター55号:出典Fukui S,Yoshiuchi K,Fujita J,Sawai M,Watanabe M. Japanese people’s preference for place of end-oflife care and death:A population-based nationwide survey.J pain Symptom Manage. 2011;42(6):882-92.

注4 www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/20-21-01.pdf

注5 「日本の総人口に占める老年人口(65歳以上)の割合は23.1%(05年比2.9ポイント増)と、2回連続で世界最高となった。」(『単身世帯 3割超す』読売新聞2011年6月30日)

注6 藤森克彦2010年『単身急増社会の衝撃』

2012年8月31日金曜日

津波注意報

太平洋津波警報センター発:2012年8月31日21時47分フィリピン中部サマール島東沖でマグニチュード7.9の地震あり。日本列島の広い範囲に津波注意報が発令(NHK)。22時10分ごろ町中にサイレンがあり、内容はいま一つ聞き取れませんでしたが、テレビで確認できました。

相模湾への予想到達時刻は9月1日午前1時30分ごろ。また予想される津波の高さは50cmとのことでした。チリ地震のことがありますからね、気をつけましょう。海岸や川に様子を見に行く人は、けしていませんように、、、。

追記:参考までに、気象庁のHPを
http://www.jma.go.jp/jp/tsunami/

2012年6月20日水曜日

酒匂川水系水位のその後

停電もあったし、散々でしたね、、、。
国土交通省のテレメーターでみる限り、
山王川
東洋橋:21時1.62m→22時2.15m→23時1.85m→0時1.53m→1時1.37m
(氾濫危険水位2m 避難判断水位1.4m)
酒匂川
松田惣領:21時1.00m→22時1.30m→23時1.90m→24時1.95m→1時1.53m
(氾濫危険水位2m  避難判断水位1.7m)
富士道橋:21時0.72m→22時1.06m→23時1.76m→24時1.68m→1時1.13m
(氾濫危険水位2.2m 避難判断推移1.9m)

23時ごろから山間部を除いて降水量が減少したこともあってか、0時以降は
水位が低下に転じたようですね。
①氾濫注意水位から氾濫危険水位まで2時間以内で上昇しうること、
②むしろ小河川の方が急激な水位変化も注意すべきこと、
③水位変化は地点間でタイムラグが一定度あること、
など注意されます。

2012年6月19日火曜日

酒匂川の河川水位

23時時点で山王川東洋橋の水位はそれまでの2m超過から1.85mと低下傾向に転じつつあるようですが、酒匂川は富士道橋で1.06mから1.76mへと水位上昇あり、避難判断水位が1.90mです。

http://www.pref.kanagawa.jp/sys/suibou/web_general/suibou_joho/main.htm

追記 
小田原市の発表では23時30分時点で1.73mへ推移。降雨量の状況、周囲河川の動向からするとあとひと踏ん張り。0時の発表が大事でしょうが、、、。